お仕事リターンズ大作戦!女性の再就職応援セミナー
堀山可奈子(Hiyoshi・マネジメント・オフィス代表)
実施日:11月5日、12日(火)
結婚、出産等で一度仕事を辞めて、再び仕事さがしをする場合、どうはじめたらいいか迷うことがあるかもしれません。再就職のための履歴書、職務経歴書の書き方、面接のポイントについてお話します。
就職活動は営業活動です。苦手意識を持たずに、場数を踏んで、場慣れすることも大切です。
- 自分のパンフレット…履歴書、職務経歴書(自分を振り返る)
- 企業研究…相手を知る(戦略を練る)
- 交渉能力…面接力(表現力を持つ、女優になる)
再就職のための履歴書、職務経歴書の書き方
まず履歴書、職務経歴書を書くための、材料集めとなる自己分析をしましょう。どう書けばよいかでなく、「なに」を書くかの材料をそろえることが大切です。
- どんな会社で働いてきましたか
- どんな仕事をしていきましたか(いつ、どこで、なにを)
- 自分が特に「がんばったこと」「得たこと」「失敗したこと」
- 自分の「やりたい仕事」「むいている仕事」「できる仕事」を考える
もしアピールすることがない場合は以下のことを考えてみてください。
- 新人の指導役になったことはありますか
- 研修や通信教育で自己啓発していますか
- 職場のサークル活動などで改善に取り組んだことは、地域のボランティアは
- 持っている資格
- 表彰された経験はありますか
- 日頃どんなことを心がけて仕事をしてきましたか
- どんな人脈がありますか
自己PRを考えるヒントをあげてみます。
- 自分のことを自由にPRしてください
- 自分を一言で説明してください
- 自分の持ち味を述べてください
- 売り込みたい自分の強みを述べてください
- 他人に負けない自分の強みを述べてください
- 長所、短所を述べてください
- 成功体験を述べてください
履歴書、職務経歴書を書いてみよう
履歴書は自己紹介(時系列上の事実及び現状)、職務経歴書は自分を売り込むための情報を提供する書類です。
履歴書は、丁寧な手書きが良いと思います。余白がないようにびっしり書いてください。熱意が伝わります。
職務経歴書について詳しくお話します。職務経歴書を作成するメリットは (1) 履歴書に書き込めないキャリアの内容や実績を詳しく記載でき (2) 企業は中途採用者には即戦力を求めるので過去の経験、実績などをわかりやすく表現することで、書類選考時点で差をつけることができることです。
職務経歴書に盛り込みたい情報をあげます。
【冒頭】
- 作成日と名前。
- 志望動機…履歴書にもあるのでスペースに余裕があれば。
【職務経歴】
- 今までの勤務先、所属、ポジション…事業内容、企業規模など、どんな企業でどんな位置をしめていたか。所属部署やチームの規模など。
- 職務、担当業務…仕事内容、実績。実務能力を具体的に説明できる顧客数や扱い量など具体的な数値を入れる。
【専門知識や技術】
- 資格、スキル…志望に関連したものは履歴書を重複しても入れる。その他、履歴書に書くほどではなかった社内資格など。資格としては社会一般では通用しなくても選考で技能の証明になりそうなもの。
- 社内研修や自己啓発…新人研修、業務研修、能力開発研修など勤務先で受けた教育訓練。キャリアが浅い人は、新人研修など社会人としての基礎訓練を受けたことも評価される例が多い。
【評価、報奨】
- 昇格…昇格など勤務先の評価を示す。
- 表彰、受賞…実績と目標達成への意欲を示す。「社長賞」「奨励賞」「皆勤賞」など。
【仕事姿勢や意欲】
- 退職理由…履歴書の「一身上の都合」だけではなく、採用担当者は詳しい退職理由を知りたがっている。
- 自己PR、志望動機…自分が求人ニーズに合っていること、自分が採用されたらどうはたらきたいか、将来目標。育児との両立について。職歴ブランクや転職回数などに関するフォローなど。
職務経歴書の具体的な書き方をあげます。
【形式】
- A4サイズ用紙1~2枚、横書き
- パソコン、ワープロで作成
- 見やすいようにレイアウト
- 誤字、当て字、脱字等に気をつける
【内容】
- 氏名
- 希望職種(履歴書にあれば必要なし)
- 業務経験(時系列にそって)
- 職務内容
- 実績、成果社内外で獲得した賞
- 職務を通じて得たもの、身に付けたこと
- 退職理由
- 自己PR
- 資格、免許
- 自己啓発
書き終えたら自分で「自分が採用側ならこの人をどう思うだろうか」「経営者であれば欲しい人物だろうか」と問いかけてみてください。
面接までの準備について
【「退職(転職)の理由」を整理】
なぜ退職したか、自分の考えを整理する。「解雇された」「前職の非難」「労働条件がきつかった」「人間関係がよくなかった」など否定的なことは言わない。
【企業研究を行う】
志望した会社がどのような人材を必要としているか、経営方針などを知り把握する。
【提出用紙を確認する】
面接担当者は応募書類を見ながら質問します。応募書類に書いてある内容と異なることを言うと減点となる。
【面接での回答を準備する】
聞かれる質問を想定して、どう答えるか回答集を作成する。
【応募企業の下見】
どんな会社か、その場所まで行って入口などをチェックする。時間を計っておいて、面接当日遅れないようにする。
面接当日は出かける前に身だしなみのチェック
面接の当日は身だしなみをチェックして、忘れ物がないようにしましょう。
- ヘアスタイル…黒が基本、自然な茶色ならOK、前髪が目にかかってないか、清潔感
- メイク…健康でナチュラル
- 服装…スーツ(紺、黒、ダークグレー)
- 靴…かかとがすり減ってないか、色は黒か茶。ヒールは4センチくらいのシンプルなパンプス。
面接のコツ
面接のコツを2つあげます。1つ目は面接官の質問を落ち着いてよく聞くこと。面接ではどう発言をしたかより、面接官の言うことをよく聞いて受け答えしたかが重視されます。面接官が何を聞きたいのかをしっかり理解して答えましょう。
2つ目は第一印象です。第一印象は服装、態度、声のトーン、表情など、その人の立ち振る舞いで決まります。入室し椅子に座り話し始めるまでに好印象を与えることができれば、有利に進めることができます。
面接は電話でのやりとりからはじまっています。面接外の時間(待っている時間)も見られていることを意識しましょう。内面は外見に現れるので、本人から受ける雰囲気、態度、表情や目の動きも大切です。
面接官に好印象を与える仕草として「目を見る、相槌をうつ」などがあります。面接官の目を見ながら話しましょう。コミュニケーションを図るために、相手の話に「なるほど」「そうですか」と相槌を打つと、相手のテンションもあがります。話すことと同じくらい聞くことも大切です。
「今から準備しておくスキルはありますでしょうか」「時間があれば会社見学させていただけませんでしょうか」など積極的な姿勢を示すこともいいと思います。明るく積極的に、滑舌がいいと良い印象になります。
面接官の視点は以下のようにまとめられます。
- 経験の確認…スキルなど職務系経歴書と照らし合わせ
- 人柄、やる気、意欲…外見(身なり、姿勢、目線)、話の内容
- 第一印象…悪い印象を持たれると回復するまで時間がかかる
- 話しの内容…簡潔にまとめて答える。まず結論を言いその理由を話す。
- 会社との相性…当社の社風に合うか(コミュニケーション能力)、面接官との相性、聞く姿勢、傾聴の態度。
選考ポイントとしては、「あいさつ、言葉遣い」「コミュニケーション能力」「経験、スキル」「身だしなみ、服装」「志望動機」などがあげられます。
ワーク グループに分かれて模擬面接をしました。面接官、応募者、記録係りに分かれて、各自の良いところ、気をつけるところをチェックしました。
研修参加者の感想
- 面接官と面接される人の役をロールプレイでやり、面接官の立場で何をききたいのか、なぜそのような質問がでるのかわかりました。
- 面接対策について具体的に学べ、模擬面接のなかで新しい自分を発見できました。
- 自信を持つことが、就職活動において大切なことがわかりました。
- わかりやすく聞きやすかったです。楽しく学べ、先生にも質問しやすかったです。
- 一方的に聞くだけではなく参加型だったので楽しかったです。
堀山可奈子プロフィール
Hiyoshi・マネジメント・オフィス代表。
短大卒業後、銀行の人事に所属し、顧客サービス、コンサルタント業務を学ぶ。その後、大手研究所や総合商社勤務を経て、Hiyoshi・マネジメント・オフィスを設立。「情報弱者」の問題に取り組み、障がい者向けのIT事業および就労支援、女性のための就労支援、キャリアデザインなどの事業を行う。各地で就労支援講座、再就職講座を実施している。現在は、古典芸能を広める運動に力を入れており、西崎史鈴衣の名前で活動している。モットーは「ころがる石」。